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< 前回までのあらすじ >
#3776センチュリーのシャルトルブルーブルゴーニュ(どちらも字幅は超極細)のフローが渋くて文字が書けない! でも調整に持ってく前にやれることはやってみることにした。

素人の浅知恵調整ダメ絶対。メーカー修理できなくなるし失敗すると取り返しがつかなくなるので、やるなら自己責任だけど本当はやらずにメーカーかペンクリニックかプロに頼むのが一番です。良い子はぜったい真似しちゃ駄目だよ!(特に最後の方)

< 症状 >
・原稿用紙1枚分くらい書いてると(体感)インクが掠れてくる
・ペン先を水に浸けても微妙

< 考えられる原因 >
・ペン芯にあるインクを使い切ると書けなくなるっぽい
・ペン先の切り割りが詰まってる
・ペン芯の溝にインクが流れてない
・ペン先に繊維滓が詰まってる

書き出しは快調(というほどでもないがまあ書ける)なので、多分原因は上記のどれかだろうと推測。とりあえずシャルトルブルーの方で切り割りを掃除してみることにする。大昔に買ったラッピングフィルム(#15000)で切り割りの中をスリスリしたが、ペン先が削れちゃうからやりたくなかった。他にツールがなかったので仕方なくだけど、今思えばフィルム付箋とか使えばよかった。回避できる危険は回避した方がいいよね。素人だし。

でもスリスリしても症状は全く改善しなかったので、今度はペン芯を引っこ抜いてみた。インク溝を掃除してみるも別に滓は詰まっていない。この辺からだんだん調子に乗ってきて、カッターで溝を掘り始めてしまった。ここがポイント・オブ・ノーリターン。何度か刃先でなぞってるうちに、なんか黒い繊維状のものがチョロっと出てきた。やばいペン芯削っちゃった。溝が広がってるよやべえええええええええ、って焦って、とりあえずインクを拭いてペン先をセットして首軸に戻したら、案の定と言うかフローは劇的に改善してたんだけど、今度はペン先が引っかかってペチペチ鳴っている……ルーペ(10倍しかなかった)で見たら、ちょっとペンポイントが上下にずれていた。もう一回引っこ抜いて、ペン先だけ見たらちゃんと揃ってるのでペン芯とのセッティング位置が悪いのだろうと思って、はめ直したら今度はちゃんと揃った(多分)

そりゃあねえ、インク溝掘ったらフローは改善しますよ川幅が広がるようなもんだもん。でもフローが多すぎてもペンポイントの方で受け止められないかもしれないし、これはマジで紙一重だった。偶然うまく行っただけだと思う。カッターマジヤバイ。ペン芯はプラスチックだもの。めっちゃ焦ったwww まあ結果オーライではあるけれど、溝掘り過ぎた時には「あ、もうこれはシャルトルブルーと心中したな」って思いました。まあ心中するつもりでカッターは使ったんだけど……

その反省を踏まえて隙間ゲージ買ったけど後の祭りと言えば後の祭り……でも隙間ゲージ超便利。0.04mmとかをハート穴からさし仕込んでスリスリする。先に買っとけばよかったよチクショウ……てわけで、ついでにルーペも買った。10倍だと極細のペンポイントは見づらいので30倍を。これでペンポイントのズレを最終チェックする予定(まだ届いてない)

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で、それを踏まえてシャルトルブルーで書いてみた。記事冒頭の写真に比べて筆記線が太く、濃くなっているのがお分かりいただけるだろうか。まあインクもプラチナのカーボンインクからローラー&クライナーのドキュメントインクに変えてるけど。R&Kのインクに変えてから(素人調整前から)書き出しの1画目がかすれる現象は続いてるんだけど、これはインクのせいなのか今回の適当調整のせいなのか私の筆記角度のせいなのかまだ原因が特定できていないので対応は保留中。インクが馴染むか、使い込んでペンポイントがいい感じになったら解消されるかもしれないし。段差とかなかったらまあいいや。

とりあえず現状、途中でインクがかすれることはなくなった。フローも増えて書き心地も大分万年筆っぽく、サリサリな感じにはなってきたし。今思うと、以前はガリガリ、って感じだったなあ。これが超極細ってものかなあと思ってたけど。

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そんで次。ブルゴーニュ。こちらもシャルトルブルーと同様の現象が起きていた。けれども一度メーカー修理に出してオーバーホールしてもらってるし、切り割りにカスが詰まってるとかそういうわけではないらしい。とりあえず首軸抜いてみるか、と思ったら全然抜けない。修理前はあんなに簡単にすっぽ抜けたくせにwwwさすがメーカー修理wwwwと思ったけど、いくら首がゆるいのを直してもらったってインクが出なきゃしょうがないのよ、とやけになって引っ張ったら、1mmくらい出てきた。

わかりにくいけど、上の写真で、首軸付近でインクが黒く付着しているのが今回引っ張り出した部分。これ以上はどうしても抜けなくて、ペン芯のフィンが折れんばかりの勢いだったのでここで断念。押しても戻らないのでそのままの位置で書いてみたら、まあなんと、劇的にフローが改善しているじゃありませんか!

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処置前・処置後。なにこれこわい。何もしてないのに。

あとで比べてみたら、現在の状態でシャルトルブルーとペン先の長さが同じだった。推測でしかないけど、ペン芯突っ込み過ぎだったんじゃないの……? それでインクの流れが阻害されてたんじゃないの……?

とにかく、なんかこの位置がベストポジションな気がする。書いてる途中のかすれもなくなったし、まあ、よくわからないけど結果オーライということで。なんだこれ。



このようにして、心中覚悟の素人ペン先調整は一旦の幕を下ろしたわけですけれども、今思い返すとホント紙一重でやばいシーンがたくさんあった。やはり素人の浅知恵調整ダメ絶対。そもそも、細い線が書きたくて超極細を選んだのに、フロー良くなったせいで細い線引けなくなってるからね。いま、大橋堂の極細とだいたい同じくらいの字幅だからね。書きやすくなったけど、書きやすさを得て超極細の個性を殺した感じがする。まあそれほどまでに細い線が引きたいなら、そこだけマルチライナー使えばいいじゃん、って話なんですけど。万年筆に何を求めるかよね。私の場合、結局、書きやすさ>>>(越えられない壁)>>>極細線、で落ち着いてしまったからもう仕方ない。

あと最後から二番目の武器としてDe Atramentisのドキュメントインク、個人輸入して到着待ちなんだけど、これをシャルトルブルーに入れて1画目インクがかすれるかどうかテストしようとは思ってる。1画目のかすれは、R&Kを別の万年筆(プレラ)に入れたときにも発生しているからその検証実験でもある。最後の武器は調整に出す。最悪3月の中屋のイベントに行くかと思っていたが(行ったら絶対シガーロングのペン先を交換してしまうだろうし)素人が適当にいじった尻拭いなどさせては申し訳ないからなるべくなら出したくない。このままなんとか使っていきたい、そう思う所存です。

でも、今回はペン芯が抜けやすいと評判のセンチュリーだからこそ出来た技であって、モンブランとかペリカンとかデルタとかだったら絶対やらないし出来ない(前科者)中屋でも無理だな……そもそも中屋はいじらずに速攻で調整を依頼するよ……。そう考えると、大橋堂が毎年くれる葉書のなんとありがたいことよ。餅は餅屋、自分、不器用ですからラッピングフィルムは再び引き出しの奥深くにしまいこんでおきました。



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やっぱりシャルトルブルーが書いてる途中でインクが出なくなる・フローが渋い、ので、ローラー&クライナーのライニガー(インククリーナー)買ってみた。プラチナのインククリーナーに一晩漬け込んでおいたんだけど、念のため、というか、まあつまるところ使ってみたかった。R&Kのドキュメントインク(ブラック)使う予定だったし。

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中にリザーブタンクめいたものがついていて、そこにペン先を突っ込んで吸入する。割と底が浅くて、大型ペン先だと入り切らなくて吸えないこともあるよ……特にドルチェビータとか、首軸まで突っ込まないと吸入できないタイプのやつ。そういう場合は、コンバータを外して直接吸い込む、と言う荒業が使える(使った)吸入式だとどうだろう……ていうかこれ、吸入式に使っていいのかな……いいんだよね多分……

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ワアーキレイ……

この状態で5分くらい文字を書く、とのことなのでひたすらクロッキー帳に文字を書いていたんだけれども、プラチナのインククリーナーが優秀なせいかどうか、全く筆記線がわからない。真っ白い紙に透明な文字をひたすら書き連ねていくというこのシュールな時間。1分くらい経つとネタが尽きてくるので、もういっそ写経とか文章を決めて模写とかしないと5分も間が持たない。真っ白だからね。

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結局シャルトルブルーは何も起こらなかったので、前回洗浄はしたものの、インクをドライアップさせてそのまま忘れること数回、大変申し訳無いことをしてしまったドルチェビータのソワレで試してみた。写真は撮り忘れたけど、リザーブタンク? にペン先をつけた時点で紫色のインクがニュルニュル出てきた。入れてたのはダイアミンのトワイライトだったんですけどね……。リザーブタンクがあってよかった。瓶全体が汚染されるところだった……この溜り、そういう意味もあるのかもしれない。ちなみにソワレはペン先大きすぎて吸えなくて、溜まりに残った紫に染まった液体をコンバータで吸い込んで事なきを得た。

で、書いてみたら、なんかセーラー の雪明みたいでキレイ……ソワレはFなんだけど、筆記線は大分太く出るみたい。まあインクじゃないしな。あと、なんかレモン系の洗剤の匂い(オレンジオイルとかっぽい)がするので、猫が監視しに来た。なんか久しぶりに細字以外の万年筆使ったけど、やっぱりいいなあソワレ……字を書くには極細よりは、舶来物の細字以上が気持ちいいなあ。細かい字をちまちま書くのも楽しいんだけど、まあ、どっちもどっち。


そして綺麗になったシャルトルブルーとソワレを水洗いして、ソワレはおやすみ。だからフローが改善されたかはまだわからない。そもそもなんの問題もなかったからねソワレはいい子。でも確実に綺麗にはなった。デルタのコンバータめっちゃ使いやすい。

シャルトルブルーの方に満を持してR&Kのドキュメントインク(ブラック)入れてみた。プラチナのカーボンインク使ってると、書き出しはいいんだけどしばらく使ってると段々掠れてインクが出なくなってくる、と言う症状があって、どこぞで調整をお願いしようかと悩んでいるんだけれども、まあ自分でやれることは全部やってみるか、と思い立ってのインククリーナー、そしてフローの良さそうなインクに入れ替え……だったのだが。

R&Kは、書き出しはちょっとかすれるものの、使い始めてみたら調子がいい。逆にプラチナのカーボンを入れてるブルゴーニュの方は、書き出しはいいけどやっぱりそのうちインクが出なくなる。ブルゴーニュの方は一度首軸がゆるくて修理に出していて、その時にオーバーホールもしてもらったということで、ペン先に問題があるとか、コンディションが悪いとか、そういうことではないと思うんだよな……

そして運用試験も兼ねてひたすら細い線を引く、と言う、ツイン・ピークス2017に対する狂おしいほどの期待を込めた一枚がこちらです。日本で放映権とるの何処だ。ケーブルならそこと契約する。

@coacervate22が投稿した写真 -




書いてる時は調子良かったんだけど、その後原稿用紙に文字を書いてみたら、これがまたかすれるんですよね……なにこれ。インクのせいじゃなくない? ペン芯にあるインクを使い切ったら駄目な系じゃない? あと切り割りに紙の滓が詰まってるし……まあ兎に角プラチナカーボンインクは冤罪だったとわかった。R&Kがフロー激渋、ってことなら分からんが。プレラに入れた時はフローめっちゃ良かったんだよね、R&K。だから安心してたんだけど。

そういうわけで、#3776フロー改善計画はまだ続く。



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撮影用に眠っていた万年筆も引っ張り出してきて並べてたら猫チェックが入った。


 


結局二つ買ってしまった。送料無料だからセーフだと思いたい。しかし、これはなかなか便利で良いです。下の段にモンブランの149を入れて重ねてもぶつからないくらいのスペースは確保されつつもかさばらないし。埃が気になればあとから付けられる専用のガラス製の蓋もあるしね……

やっぱり万年筆は並べてなんぼだな、と思った。ペンボックスに入れてしまいこんでおくとペン先もカビますしね……そろそろ全体的にメンテナンスが必要なのではないかと思い始めた今日このごろです。

それにしても、やはり俯瞰してみるとモンブランとDELTAが多い。その辺の好みは昔からずっと変わってない。始めてもらった万年筆がDELTAのソラリスで、三つ子の魂百まで、ってこのことか。その割に、最初の頃はモンブランの「万年筆っ!」ってフォルムが苦手だったけど、今となってはホワイトスターかわいいれす(^q^)
字幅の好みも中字〜太字〜細字〜と微妙に変化してきているし、まあ今は気分で使い分ければなんでもいいと思ってるけど、思えば遠くへ来たものですねえ。金ペン堂でドルチェビータのソワレを買ったのが2007年とか……10年前……だと……? ちなみにソラリスはそのもっと前だからもう思い出したくもない。うわあ、時間の流れまじ怖い。そしてまるで成長していない自分に気づいて、あ、意外と人として軸がぶれていないな、と思い直した次第です。



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